100F 特集ルーム
「レイアウトのツボ その8(拡大率の要素)」
世の中、どんなことでもメリハリというものがあります。
簡単な例では大きさの比率、レイアウトの上では本文とタイトルの
文字の大きさの比率であり、写真の大小、被写体の大小になります。
アップの写真は大きく扱い、全身写真は小さめに扱う。
これが拡大率であり、大小の対比が強調されてインパクトが強まります。
ただ、強調できればいいというものではなく、内容やイメージに合わせて
比率をコントロールして印象の統一化を図る必要があります。
ここで何度も出てきている作品の味付け「実用味」「楽味」「夢味」に
わけて考えていきましょう。
信頼と実用の実用味では、この拡大率は大きすぎず小さすぎない中くらいの
拡大率が似合います。
消極的ではなく騒がしくもない節度ある誠実さを印象付けます。
カジュアルな楽味では、写真を極端に大きく扱ったり、タイトルを
思い切って大きく扱うことで、自信に満ち溢れた自由さを表現します。
開放的で元気なイメージです。書体も併せてコーディネイトし、
太いゴシック系で強く表現してもいいでしょう。
すこし夢味テイストを含ませたいときは、細い書体にします。
上品でクールな夢味では、拡大率を控えめにしてやさしさを出します。
写真も迫力あるアップよりも主題を小さくまとめた画作りにし、
空間を多くした控えめでかつ可能性を伝えるような内容が合います。
今回の拡大率は、手っ取り早くそれらしく見せるための技法ですので
常にいろいろなパターンをイメージしながらレイアウトを進めていけば
迷うことはなくなると思います。

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