107F 特集ルーム
「サイズと画質とRAWデータ」
今回は、最も初歩的なデジタルカメラのデータ形式についてです。
でもこれ、フィルムになれひたしんでいたプロの方でも勘違いされている
ことがあって、びっくりです。
そこで、今一度おさらいしておきましょう。
デジタルカメラの保存の仕方は、JPEG、TIFF、RAWなどがありますが、
JPEG形式では、圧縮率を高くするほど画像データが軽くなる非可逆性圧縮
と言う非常に高圧縮をすることができます。
ただし、非可逆性圧縮のため、圧縮率を高くするほど画像が荒れて
画質が低下していきます。
通常の一眼レフデジカメなどでは、この圧縮の度合いを2段階もしくは
3段階の中から選ぶことができます。
カメラのメーカーによって表記の仕方は違いますが、
画質の「FINE」と「NORMAL」だとか、「BASIC」とかの表示がそれです。
これは文字通り「画質」の選択です。
つまり、圧縮率の高低なのです。
メモリーカードに余裕のある場合は、いちばん高画質を選んでおきましょう。
そしてよく勘違いされているのが「サイズ」です。
解像度不足していた昔では、このサイズが少しでも大きいほうが
画質も良かったのですが、今は必要十分な解像度がありますので
この「サイズ」と言うのも文字通りプリントサイズだと考えてください。
「サイズ」の表現もメーカーによってまちまちで、
大きさで「L」「M」「S」とか、解像度で「10M」「5M」「2M」
と表示してあるものもあります。
どの表示がどれくらいの画素数になるのかは、説明書をご覧下さい。
サービス判程度の大きさでプリントする場合は、200万画素あれば十分なので、
一般的には「S」もしくは「2M」にセットします。
これより下がれば下がるほど解像度不足で画質も低下しますが、
これ以上大きくても画質は全く変わりません。
ただ、無駄に容量が大きくなり、処理時間をロスするだけです。
残念なことに、コンパクトデジカメの場合は、
これらの画質とサイズの関係をごちゃまぜにしちゃって
個別設定の無い機種もあります。
そしてRAW形式は、撮影データそのままのデータです。
画像ではありません。
このデータを現像処理してはじめて画像になるデータです。
現像処理とは、生データを色温度や露出補正、トーンカーブを使って
見慣れた色調に補正して、希望の解像度にした画像を作る作業です。
自信の無い方は、カメラ設定からあまり大きくいじくらない方が
いいかもしれません。
画質とサイズの関係、そしてRAWデータとは、
こんな感じで理解の程よろしいでしょうか。

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