106F 特集ルーム
「写真になるまで」
今回は、実際にうちのスタジオで行っている撮影からプリントまでの
手順のお話をおおまかにします。
きっと、このあたりのノウハウは、デジタル撮影を始めたばかりのスタジオ
にとっては、喉から手がでるほどの情報になると思いますが、
ここはほれ、おおまかな所にとどめておきます。
詳細については講習に来ていただいて、実際に体験してもらわないと
要所要所の急所まで伝わりませんので、ここではおおまかなイメージとして
手順を知っておく程度になります。
撮影前にもいろいろとありますが、データの取り回しの手順に絞っていくと
撮影後のデータをどうするのか、から始まりますので、
まずはPCに取り込みます。
RAW+S(JPEG)で撮影しているので、
画像ビュアーを使って、JPEG画像の方でお客様とセレクトをします。
仕上がりサンプルを見ながら、どの台紙にどのようなレイアウトにするのか
考えながら必要なカット数を選んでいきます。
使用するカットが決まったらお客様は帰られます。
その後でDPP3でRAW現像すれば、画像の準備は完了です。
画像は、16bit-TIFFで書き出されます。
「TIFF形式」=「生の未修整画像」と言う取り決めにしているのです。
ここからが修整の始まりです。
まずはセレクトした画像の悪い部分を探します。
必要により、別カットも現像して部分的に合成する事もあります。
表情はいいのに、すそが少し乱れている...なんて場合ですね。
次に、色調を整えますが、慣れてくると現像時にほぼ狂いなく補正できて
きますので、最近はほとんど色は触りません。
例外として、着物の色によってはプリント時に出にくい色だけを
色相彩度で選んで調整をすることがあります。
ここまできたら8bitになおしてスタンプツールで肌のレタッチと、
焼き込み・被い焼きツールを駆使して部分的な調整をします。
ゴミ消しや汚れ消しもこの時に。
ゆがみフィルターもよく使います。ここで修整完了です。
レイアウトサンプルを開いてそちらへドロップします。
写真画像はここでJPEG形式で保存します。
「JPEG形式」=「修整済み完成写真」と言う取り決めにしているのです。
このJPEGファイルとRAWデータは、原版としてお渡ししております。
こちらで管理するのは大変なことですし、使い回しもしたいでしょうし。
レイアウトサンプルには次々に修整済み写真が貼り付けられて
レイヤーになります。
ここでは写真以外の部分にフレームを変えたりぼかしを入れたりして
他のデザインにしたりカットを加えることもあります。
それぞれの写真の大きさ、傾きを調整して確定したら別名保存をして
そのpsdファイルをミニラボでまず一枚プリントします。
気に入る再現ができるまで補正値を変えて再プリントを繰り返しますが、
どうしても出ない時は、RAW現像からやり直します。
難しい色の着物とか、撮影したときの印象通りに出ない時は、
RAW現像からやり直した方が、結局早い場合がほとんどです。

次の講座へ 前の講座へ 106Fロビーへ出る