108F フォトショップ・ルーム

「ポートレートレタッチ1」 今回から、うちのスタジオで普段行っている家族写真や成人式、七五三等の ポートレート撮影でどの部分をどうレタッチしているのか 顔部分だけを取り上げて具体的な方法と手順をやっていきます。 人の顔は様々な形や色味からできており、肌色はRGB値で何色とは 決まらない個性を持っています。 顔のパーツや配置もそうで、いろんなデザインの顔があり、 メイクでさらに引き立つように加工されています。 言い方が少し悪かったですが、写真とモニターの色再現の違いと同じように メイクしてきた照明と違う環境では見え方が違います。 化粧室などの鏡を覗いても違いが少ないのは、 その照明がメイクした時と似ているからで、外ではかなり違うはず。 このような思い込みまで加味して、ポートレートのレタッチ作業を 行なわなければ、本人の納得のいく顔にはならない場合が多いはずです。 そして、ポートレートのレタッチで大事なことは、やりすぎないこと。 もっと言えば、「レタッチしたとばれない事」 気付かない範囲で、顔の微妙なラインを整えてバランスをとり、 それぞれのパーツを修整しながら整えていきます。 本人の印象をそのまますっきりさせて表現すればOKです。 間違っても、写った印象ではありません。生の本人の印象です。 前置きが長くなってしまいましたので、今回は下準備までです。 まずはセオリー通りに色調補正を行いますが、RAW現像時に調整済み ですので、ほとんどが色相彩度だけです。 調整レイヤーを使って色相彩度を調整します。 肌の色再現だけに注目して調整した後、他の部分をマスクします。 調整レイヤー色相彩度にマスクがかかり、顔の肌部分だけが抜けている 状態になります。 次に、シミやしわを軽くします。 スタジオでのプレーンやレンブラントのライティングでは、 光源の大きさや位置の関係上、通常のベタ光線と比べてシワが 深く入り込む傾向がありますので、影を浅くしてちょうどいいくらいです。 コピースタンプツールで適用量を20%ぐらいにして周りからせめるように こまめにサイズを変えながらレタッチを加えていきます。 ベタ光線で見たときの印象になるまで修整しましょう。 メイクの仕方を頼りに、その人の作り方を見ながら、 何を隠したいのか、どこを見せたいのかを探せれば、 多少のオーバーレタッチをしていてもばれません。 自信の無い方は、原画に直接手を加えずに レイヤーを複製してそのレイヤーにレタッチをしていきましょう。 目の下のたるみやライティングでできてしまった影やシワを 顔の筋に沿って緩和していきます。 このあたりの書き込み方は、ネガ修整の要領で。 あとは全体を見渡して焼き込みツールと被い焼きツールを駆使して オプションのハイライト・中間調・シャドウを切り替えながら 部分的な濃淡を自然になじむようにレタッチします。 ライトの位置とモデルの骨格と角度でかなり変わります。 肌調整が終わったら、レイヤーを結合してラインの調整に入ります。 が、後半は来月に。
                
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