19F 知恵と知識の間

「彩度考」 今回は、彩度について考察してみましょう。 モニターで見ていた色と出力結果をくらべてみると、どうしても一致しない、 どこが違うのか何だかわからないことがあります。 白も合っているし黒も近い色になっている。グレーの色味も合っているのに どういう訳か色が合わないなんてことがあると思います。 とすると、あとに考えられることは、彩度の違いということになります。 通常、モニターで見ている色は、RGBという彩度表現の広い光を見ていて、 出力されたものはCMYKという限られた色表現のなかの物だということは 今までにも何度か出てきましたね。 そしてインクジェットなどの液体染料インクは彩度もある程度は高いのですが 固形顔料インクを組み合わせてフルカラーを出しているものは さらに色表現範囲が狭くなるもんです。 では、画像処理においての彩度って何なのだろうか考えてみましょう。 簡単に言ってしまえば色の鮮やかさです。 そして、鮮やかならきれいなのかっていえばその限りではありません。 鮮やかさと引き替えに階調が貧しくなってしまいます。 濃度の時と同じように、飽和してしまった色情報には階調などありませんので 音楽で言ういわゆるドンシャリ型のものになってしまいます。 もともと性能の悪いCCDを採用したデジカメの画像を無理やり色鮮やかに 見えるように彩度を上げると、なんだかペラペラした派手だがうすっぺらな 画像になりがちです。 このような状況では質感など再現できるはずが無く、 中間色の貧しい派手なだけの画像になり、イヤラシイ感じがのこのます。 もっとも、適度な補正はかけるべきでなんですが・・・ と言うことは、質感表現に欠かせないのが中間色ということになります。 俗に言う「不要色」ってやつです。 えっ、不要色?じゃあいらない色なの・・・って思うのははやとちり。 不要色とは言っても、大変に重要なのは今までのとおり。 彩度を上げるとどんどん不要色が減っていき、 あとで彩度を下げたとしても、失われた不要色は完全にはよみがえりません。 微妙にグレーではない色の味はとり戻せないのです。 パッとみた目には元に戻っていても質感はどうだろう。 結局彩度ってやつは、色の鮮やかさと質感のバランスで 調整をするってことなのかって思います。 必要色と不要色のバランスなんですね。
                
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