4F 知恵と知識の間

[連載] 入力の知恵・画像の知識 フラットベッドスキャナーを使いこなそう! Part3 ●スキャン解像度と画像解像度  「スキャン解像度」は、「読み取り密度」とか「入力解像度」とも言う。 単に解像度とか、解像力と呼ぶこともある。 要するに、【読み取りたい原稿を、どれだけ綱かく切り刻んで 画素を作り出すか?】という能力を表す。 一方、「画像解像度」という言葉がある。  こちらは、【出力するときに仕上かりサイズに対してどれだけの 画素が割り当てられるか】を指す。この複雑難解な点を箇条書き にして解説しながら、デスクトップスキャナのスキャン解像度に 関わる限界を説明します。 ・印刷物は網点で階調を表現している。  この点についてはこのコーナーではわざわざ説明はしません。 ・カラーの一般的な商業印刷物や出版物では、  網点は1インチに175個程度ある。   一般に175lpiとか175線と呼ぶ。dpiとはちがうよ。 ・いろいろな理由から1個の網点は4個の画素で作られる   (一辺なら2個の画素)のが一般的である。  したがって、仕上がり印刷物上の画像には、  その画像の網点の総数の4倍の画素が必要である。 ・一般に仕上がり印刷物よりも原稿のサイズは小さい。  小さいサイズの中に、必要な画素を生み出すには  細かく読み取ることになる。これが「スキャン解像度」です。 ・仮に、4×5インチの仕上がり画像の  掲載された印刷物があるとすると  短辺4インチ中には、4×175線=700個の  網点が並んでいることになる。 ・700個の網点を作るには、その2倍の画素、  700×2=1400個が必要になる。 ・原稿のサイズは35ミリポジとすと、短辺の長さは1インチある。  この短辺1インチに、1400個の画素を割り当てねばならない。 ・つまり、1400dpiの「読み取り密度」、  すなわちスキャン解像度が必要というわけである。 以上のように、原稿の1インチ幅の部分を4インチに拡大する、 つまり400%の拡大率を得るためには、175線の印刷物の 場合で1400dpiのスキャン解像度が求められる。 今回仮定したスキャナーの最大スキャン解像度を よくある1200dpiとすると、400%の拡大は理論的には 不可能ということになる。 ただし、実際には、いちがいに不可能でもない。 必ずしも、1個の網点に4回の画素を割り当てる必要性はないからだ。 つまり、1インチ175線の網点に350画素(175×2)を 割り当てなくてもいい。 画質は若干落ちるが300個の画素、 あるいは200個の画素でもどうにか使える。 仮に仕上がり幅1インチあたりに300画素を割り当てると、 4インチでは1200dpiとなる。 このスキャナーは、実質的には400%まで拡大可能という理屈になる。 スキャンドライバや、レタッチソフトで解像度を拡大しても同じような ことだけど、スキャナー本来の機械的な光学解像度を越えているので 画質が低下することはしかたありません。 スキャナ−の光学解像度が1200×600ppiの場合は、 (ある裏技を使わなければ)600ppiで取り込んでレタッチソフトで 補完して解像度を拡大したほうがうまくいくことが多いんですけど・・。 来月は「ハイライトとシャドウの再現能力」階調についてです。 だんだん難しくなってきますが、じっくりと読んで少しづつでも 理解する努力をしてみてください。 わからないことは、相談にのりますよ。知識としては来月がピ−クかな。
                
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