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[特集] 出力チェックチャートを作ろう(1)
思いどうりの色でプリントするためには、プリンターの特性を知ることから
すべてが始まります。
銀塩で言えば、ペーパーの特性を知り、現像液、引伸し機の特性を知り、
カメラ、レンズ、フィルムの特性を知って、適正な光を与え露光をかける。
デジタルなら、簡単にゾーンシステムまがいなことができてしまいます。
では、デジセミ公認出力チェックチャートを作りましょう。(なんちゃって)
まずはどこをチェックするかです。
ここでは一般向けにRGBで、一番多く使われているインクジェット方式の
プリンターを想定して作りたいと思います。
1・最小濃度の限界値(インク噴射の一番少ない明るさ)
2・最大濃度の限界値(インク噴射の一番多い明るさ)
3・ニュートラルカラーカーブ(グレーの濃度差による色のばらつき)
4・中間濃度の色浮き(中間グレーの色浮きの程度)
5・最大彩度の限界値(各色の鮮やかさの限界ステップ)
6・カラーバー(12色相の濃度別色再現性)
以上の特性を測るために、出力チェックチャートを作成します。
1〜3は、一枚の用紙に作成します。
最小濃度の限界値は、白地にR254.G254.B254からR240.G240.B240の15段階の
四角形を作って並べます。
このチャートからは、一番明るく表現できる値を見つけることができます。
うっすらとインクの載っている判別できる限界の一段明るい値が
白飛びせずにプリントできる限界です。
画像データの一番白い部分をこのレベル値に合わせます。
最大濃度の限界値は、黒地にR2.G2.B2からR4.G4.B4・・・と一段おきに
R30.G30.B30までの15段階の四角形を作って並べます。
このチャートからは、一番暗く表現できる値を見つけることができます。
黒の判別できる限界の一段濃い値が黒つぶれせずにプリントできる限界です。
画像データの一番黒い部分をこのレベル値に合わせます。
ニュートラルカラーカーブは、言わずと知れたグレースケールです。
あとあとの補正の作業性を考えて、レベル値は
各色0、26、52、76、102、128、153、179、203、229、255の11段階で
作っておけば、フォトショップのトーンカーブのマスメを
「Alt+クリック」して細かくなったマスメにちょうど合います。
濃度の違いによる無彩色の転び方を見つけることができます。
作品をプリントするときに、トーンカーブを使って
ばらつきが少なくなるように打ち消す方向へ補正を加えます。
今回はここまでです。
これだけでもかなりの特性を知ることができます。
なお、用紙によって大きく変わってきますので、使用する用紙ごとに
補正データを作ってくださいネ。
そして、一晩ほどかけて十分にインクを乾燥させてから判定してください。
プリント直後とは、驚くほど色が変わりますよ。
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