79F フォトショップ・ルーム
「ポートレートの隠し味」 デジタルカメラでポートレートを撮影すると、35mmで撮ったときよりも ヌメッとした感じになりがちです。これは、粒状感が無いことと、 濃淡のめりはりが不足していることから発生しています。 粒状感のざらつきは肌にとっては無い方が良いのですが、 度が過ぎるとロウ人形のような無機的な調子になってしまいます。 写真は色で見せる以前に、光と影で見せるものです。 色作りではなく、濃淡をはっきりさせる必要があります。 なぜかデジタルカメラには、そのあたりの感触がずれているような・・・ そこで、辻徳流の味付けを加えます。 ようするに、ちょっとだけメイクをすると言うか、プチ整形をします。 覆い焼きツールで範囲をハイライトにして、瞳に入ったキャッチライトと 白目の部分をわずかに覆い焼きして白をほんの少し際立たせます。 必要に応じて、歯と唇のハイライトも少し明るくしたり、 てかりを強調したり、鼻筋を立てたりするときもあります。 そして、焼き込みツールで範囲をシャドウにして、 目の近辺を微妙に焼き込み、瞳の黒を引き締めて、まぶたのシャドウも 少しだけ陰影がくっきりするように焼き込みます。 これで目元くっきりはっきりです。 時間があれば、しみやこじわをちょっとだけ薄くしてあげましょう。 顔だけではなく、首筋も案外気にしている部分です。 サービスで鼻毛もカットしてあげます。 そして、最も気にしている人が多いのが顔の輪郭です。 これはイメージのゆがみで直してもいいけど、 ぼくは球面フィルターの方をよく使います。 選択範囲を作って、球面フィルターでへこましたり膨らましたりして 顔の輪郭とパーツの配置を修整してあげます。 この方が変形が自然にできるのは気のせいでしょうかね。