104F 特集ルーム
「ホワイトバランスは白かグレーか」
今回は、案外どうでもいいことを取り上げてみましょう。
ホワイトバランスを計るには白紙を使うか、グレーカードを使うのか?
なぜどうでもいいのかと言うと、どちらを使うかよりもどう計るのかが
重要だからなのです。
こだわっている人には大問題かもしれませんが、
レタッチする事を前提とした撮影では、大まかに当たっていれば
通常の一般的な写真業務では事実上の問題はまず無いからです。
で、どちらを使うのが正しいのかは、人それぞれの回答が帰ってきます。
おそらく、白紙を使うのは、ホワイトバランスだから白紙を使うのだろうし、
高価なもの、専用のものほど良いという考えからはグレーカードになる。
プロの間でも、ただ同然の白紙ではなく、メーカー製のグレーカードや
チェック用にQPカードを使っている場合が多い。
また、使い勝手からすれば、絞りを変えずに使えるグレーカードの方が
実際の撮影現場ではありがたいものです。
白紙を使う場合は、2絞りほど絞って適正な露光にする必要があります。
そのような事から、ぼくの知っている人たちはほとんどグレーカード派で、
しかも、コダックの18%グレーカードよりも、ポートレートスタジオの
現場では、銀一のシルクグレーカードを使っている人が多いようです。
コダックのグレーカードは買うたびに色が微妙に違っていて
信用できないと言うか・・・
経験上、銀一のシルクグレーカードの方が肌色が再現しやすいような
気がしますが、ほんと、気がするというだけです。
グレーカードについていろい申し上げましたが、
ぼくはどちらの派なのかといえば、今は白紙派なのです。
ホワイトバランスは、白ケント紙を使ったり、コピー用紙を重ねて使います。
白ケント紙を使ってホワイトバランスを決定した上で、
テスト撮影にグレーカードを写しこんで、グレーバランスを見ます。
今のところ、ホワイトバランスとグレーバランスは別物というスタンスです。
では、肝心な計り方なのですが、ひとつは角度に注意します。
まわりに色のあるものがあれば若干でも映りこんでしまいます。
正面をカメラに向けて写しましょう。
もうひとつは、位置に注意します。
被写体の重要な部分に置くのがセオリーです。
メイン側やレフ側のシャドウで計るのは、
ライトやレフなどの部分ごとの色バランスを見るときだけです。
ポートレートなら顔の前、ファッションなら胸元あたりがいいでしょう。
カードの裏側にジョークになるイラストや落書きを書いておくと、
笑いがとれて場が和み、スムーズに撮影に入ることができますよ。
う〜ん、うちの場合、
コミュニケーションツールになってしまっているような・・・

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