14F 知恵と知識の間
色の合わないわけ
いまさらなんですが、モニターとプリントの色がなぜ合わないのか
考えてみたいと思います。
まずはっきりしていることは、モニターは光を見ているということ。
ピクセルのひとつひとつが発光しているのです。
ということは、周りの環境光に左右されにくいんです。
しかし、目で見ている限り絶対色なんてどうでもいいことであって
つねに比較によって色や濃度を感じている僕たちには
まわりの環境光が基準であって計測値ではないということです。
ですから、時々によってモニターの色が変わって見えるのです。
それと、モニター上で色を重ねていくと白になるということです。
これは光の特性で、次々に光の色をたしていくとどんどん明度が
上がっていき白に近づいていくのです。
一般的に、ブルー・グリーン・レッドの「光の三原色」の組み合わせで
表現されています。
光の色なので、黒はなにも光っていない状態。
すなわち電源を切っているときのモニターの色ということになりますね。
意外と明るい黒(グレーとでも言いましょうか)色なんです。
そして白はまぶしいほどに光り輝く(おおげさかな ^_^;)
とても明るい白で、本当の片寄りのない白なのかも怪しいところです。
でも、この高い輝度のおかげで、たいして濃度の高くもないモニターの
最大濃度の色を黒としてみることができるのです。
その一方プリントの方は、
インクに光を当てて反射してくる色を見ているんです。
ということは、その当てた光よりも明るく見えることはないということ。
さらに、その光の色によって見え方がさまざまに変わってきます。
日陰でみればモニターよりも空色の影響で青く見え、夕方の光の中では
黄赤っぽくみえてきます。
そしてインクにも問題が。
ご存知のようにインクは、シアン・マゼンタ・イエロー・黒をブレンドして
色を作っています。
この色素による三原色(と黒)では、表現できる色の幅がとても狭く、
モニターにでている色をすべて再現することは不可能なんです。
当然のことながら、
インクののっていないまっさらな紙の白よりも明るい白は
表現できるはずないですし、
彩度についても使用しているインク以上の鮮やかさをだすことは無理です。
モニターと比べると、ずいぶん表現範囲が狭いことを理解しておく
必要があると思います。
特に、彩度が落ちるのはそのためなんでしょうね。
このような状況で機械的に色合わせをすることは非常に困難な
ことですので、結局は自分の目での見え方にたよるのが現実的な方法
ということになってしまいます。
色が違うことは当たり前とわりきって、見え方を近づけることに
努力をしたいと思います。
そのために、モニターのキャリブレーションをしっかりとしておくことが
とても大切だということです。
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