15F 知恵と知識の間

「A/D変換」 スキャナーにしても、デジカメにしても入力するときには、A/D変換を します。アナログの映像をデジタルに変換するんです。 このときに、無限に存在していた階調を何段階かに区切ります。 そのこまかさが各色8ビットとか12ビットと言ったように表されます。 各色8ビットとは、通常に扱われるRGBそれぞれが256階調のこと。 3色に分解してその各色を256段階のトーンに区切っているのです。 これが一応「フルカラー」といわれ、ひとつのピクセルは、 256×256×256=16777216とおりの表現能力が あるということです。 では、各色12ビットとなるとRGBそれぞれが4096階調になります。 8ビットよりも更に細かく4096段階のトーンに区切っています。 これが各色ありますので、ひとつのピクセルは、 4096×4096×4096=678億色もの表現能力になります。 通常は、各色8ビットで処理をしていくので いくら12ビットで読み取ったとしても、8ビットに落として処理を していくことが一般的です。 では、なぜ入力には12ビットが必要なのでしょうか? それは、サンプリングしたデータはそのままでは使えないからです。 ダイナミックレンジやレベル値、トーンなどを最適化して 入力機器から出力する必要があるからです。 8ビットでサンプリングしたものを最適化すると、ビット落ちにより、 各色256階調あったものが、200とか150の階調になってしまい トーンジャンプが発生したり、情報量の欠落でフルカラーが発揮できなく なってもったいないですよね。 そんなわけで、12ビットA/D変換の必要性が出てくるのです。 さらに最近は、フォトショップなどでも計48ビットが実用的に 扱えるようになりつつあるので、出力時(アプリケーションに渡す時点)に 8ビットに落とす必要が無くなりつつあります。 すでに、ミドルクラス以上のフラットベッドスキャナーや、 ニコンのフィルムスキャナーLS2000などでは、 12ビットのままアウトプットできる仕様になっています。 またさらに常識が変わっていくでしょうね。
                
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