14F 特集ルーム

光について 一概に光といってもいろんなものがあります。 (一般にいわれている○○ライティングなどは今回はとりあげませんが  お便りいただければ、別の機会にせつめいいたします。) なんらかの光がなくては写真は写りませんので 僕たちのような職業をフォトグラファーって言うんでしょうかね。 日本語では写真といいますが、こちらは真のままを写すというより、 真の本質を写し撮る考え方から来る言葉だと思えば、 ウエットなソフト分野の仕事。 でも光を使って描いていくものなのでフォトグラフなんでしょうね。 カメラマンとなると、光と写真機をを巧みに使って形を作っていく オペレーターのような立場なのでハード分野の仕事。 それらをすべてしなくてはならないのが田舎の写真屋ってとこです。 ちょっと話がそれちゃったので光に話をもどします。 反射の無い場所で、ある球体に点光源の光を当てたとします。 それを見る側と球体と光源の位置関係をいろいろと想像してみて下さい。 ほとんどの方が、手前からの視線で正面に球体、斜めからの光を 想像してると思いますのでこの状態で話を進めて行きます。 (写真を撮ろうとしているときは大抵が自分が視線側になっています。  180度反転して球体側から想像している方は、なかなかの物です。  え、上からこれらをみてた?・・うーん、なんていうか^_^;) 球体に斜めから点光源が当たっているとどんな形に見えますか。 月を想像すればいろんな角度から当たった場合の見え方がわかりますね。 では、光源が点光源ではなくもっと大きな面だったらどうでしょう? 球体との距離でずいぶんと影のでかたに違いが出てきます。 影絵とかは、おおきな面光源に指をちかずけると出来ないんです。 このようなことで光の固さ(影の輪郭のシャープさ)を調節していきます。 そして、球体の主に影の部分に光を補ってやります。 いろんな角度で白いボードをつかって光を反射させます。 地球上で、影が真っ黒にならないのは、大気中の物質や 物体による周りからの反射のあるおかげなのです。 影の部分をどれだけ明るくするかは使用器材のダイナミックレンジや 製作意図によって加減をします。 野外での撮影は、太陽の光と雲の状態や障害物の透過具合、周りからの 反射状態に気を配って光質をコントロールしてやります。 影のでかたや明暗比、発色具合(クリアさ)などを 目的やイメージ、被写体の材質、使用器材に合わせて調整します。 逆に、銀塩フィルムのラチチュードを考えて 使用フィルムの種類を選択をすることもあります。 もちろん、デジカメを使う場合はCCDの性能しだいですね。 この光の使い方で質感描写が生きてきます。 被写体の材質に合った光の環境を与えてあげることが、 すばらしい質感を再現するための必須条件なのですが とってもむつかしいことです。 でもちょっとした光への心遣いが、もう一歩すすんだ写真の写し方 になるような気がします。
                
   次の講座へ    前の講座へ    14Fロビーへ出る