15F 特集ルーム
「可視光」 〜波長について〜
今月はフィルターワークに欠かせない、光そのものの正体について
解説したいと思います。
光には波長があり、電磁波のうち視覚に光として感じる波長域は
380nmから780nmの範囲で、写真として実際に実用になる範囲の
400nm〜700nmを可視光として一般的に使われています。
そしてこの範囲のすぐ外側に赤外線と紫外線があります。
ちょっと表にしてみると、
波長 波長域 (nm) 色
短い 約 〜400 紫外線 (見えない)
↑ 約400〜450 紫 ───
│ 約450〜500 青 │ 可
│ 約500〜570 緑 │ 視
│ 約570〜590 黄 │ 光
│ 約590〜610 オレンジ │
↓ 約610〜700 赤 ───
長い 約700〜 赤外線 (見えない)
と、こんな感じでわかるでしょうか。^_^;
なぜこんなことを知る必要があるかというと、
目に見える可視光は、紫までの波長ですが、銀塩フィルムに使用している
感光物質はハロゲン化銀なので可視光だけでなく、より波長の短い
紫外線にも感光してしまいます。
ある程度は、フィルムの表層にある紫外線吸収層によって弱められたり、
レンズのガラスに吸収されますが、視覚感度の低い380〜400nmの
ギリギリのところで見た感じ以上に感光してしまうんです。
この部分が感光すると、紫外線を多く含む遠景がかすんでしまったり、
青みを帯びたりして不鮮明になります。
そこで、UVフィルターを使うわけです。
UVフィルターには、口径以外にも大抵何やらの数字が記載されています。
たとえば、L37とか、L39、L41など。
37は、370nmあたりで波長をカットするもので、
可視光も非常に透過率の高いクリアものです。
41は、410nmあたりの波長でカットしますので
強力な紫外線カットの威力があります。
39又は記載なしのものは、ごく一般的なUVフィルターです。
でも、実際に撮り比べてみていませんので、
写真写りにどれだけの違いがあるのかは定かではありません。^_^;
一般的なポートレートでは、それほど効果の違いが出るとは思えないので
わざわざ自腹切って同じようなフィルターを何枚も買おうとは
思わないでしょ。・・・ごめんなさい。
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