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「光の固さ」 今回は、力についての解説です。 光の強さは単なる光量だけではない。 光の固さも関係しているのです。 以前に一度話題になっていることですけど、被写体との距離で大きく印象が 変わってくることがあります。 たとえばある被写体に当たっている光を1/125のf8だとします。 光源の距離を倍の位置に遠ざけると光量は約1/4になって1/30のf8または、 1/125のf4か、1/60きf5.6に減少します。 この場合、露光は同じでも写り方は違ってくるのです。 被写体には必ず大きさが存在しますので、光源との距離は 被写体の最も光源よりの部分と遠い部分の明るさに差がでてきます。 具体的には、(極端な例です)被写体の大きさが2メートルあったとして 被写体の中心と光源の距離が2メートルだとすると、 被写体の光源との距離は、最も近い部分で1メートル、 最も遠い部分で3メートルあるということになります。 これだけで、3倍の光量の差が生じてきます。 いちばん近いところでは中心より2絞りオーバーで、 遠いところは中心より約1絞りアンダーになるということです。 要するに、約3絞りの明暗比が生じるわけです。 では、光源を2倍の4メートルの位置まで遠ざけると、 被写体との最も近い部分で3メートル、遠い部分が5メートルになりますので この2箇所の明暗比は、2絞りにも満たないということになります。 こうなってくると、ずいぶんと写り方も違ってきますねぇ。 さらに、光源が点光源ではなく、ある程度の面積を有するものなら 影のシャープさがずいぶんと変わってきます。 光源と被写体の距離が近ずけば近ずくほど、影の輪郭がソフトになり、 その影の中にもトーンを見出す事が出来るようになります。 この影の出方と明暗比をイメージ的にとらえて 「光の固さ」と言っているのです。 固い光、ソフトな光という言い方は、厳密に言えばさらにほかの要素も ありますが、主な部分では「明暗比と影のシャープさ」ということです。 ほかの要素とは、空気の澄み具合とか、微妙な色具合も影響してきます。 また、障害物やレフ効果、補助光、レンズの特性やフィルター、 フィルムやペーパーの性格で写り方はさまざまに変化し、 写真というものを構成しているのです。
                
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