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「アンシャープマスクを知りつくそう」 使い慣れていくうちに当たり前のように使っているアンシャープマスクだが、 シャープフィルターではなぜいけないのか。 ちょっと言い直すと、 アンシャープマスクフィルターを使いこなすために、 その違いを知って、使いこなしてやりましょう。 いまさら何だ、なんて言わないでね。 デジタルカメラやスキャナーなどの光学機器から入力された画像は、 必ずボケが発生する。 シャープに見せかけるために、コントラストを上げるんだけど、 全体のコントラストを上げたらめちゃくちゃになってしまう。 そこで、隣接するピクセルを比較してその変化をより強調すれば、 見かけ上の鮮鋭度は良くなる。 これがシャープフィルタ。 しかし、これでは滑らかなはずのところまでざらついたり ノイズが目立ったりしてしまいます。 そこで、アンシャープマスクフィルタの登場なんですね。 アンシャープマスクフィルタは、製版テクニックにある 「ぼけマスク」という技をシミュレートしたものです。 元画像をネガティブイメージで複製したものを 少しぼかして元画像と重ねることによって、 ネガティブイメージのぼけた部分が反転しているので 縁取った様に見える。 だから、シャープネスが向上したように見える仕掛け。 平たく言えば、 輪郭のコントラストを上げていることになる。 このフィルタには、「しきい値」と言うものがあり、 この数値の設定次第で滑らかな部分はなめらかに、 シャープなところはよりシャープに見えるようになります。 しきい値があるので、敷居が高いと言う訳ではありません・・おやじギャグ? で、具体的な操作方法です。 「適用量」  これは、字のごとくフィルタのかかり具合で、  どれくらいシャープにするかを決定する量。  解像度や画像の質によっていろいろだけど、  100から200くらいの間でよく使います。 「半径」  輪郭を強調するエッジの幅のこと。  これを大きくしすぎると、かえって悪くなる。  プリントする場合はプリントサイズや解像度にもよりますが、  0.6〜1.2くらいまでをよく使います。  Web等の表示用画像の場合は、0.3〜0.8くらいですね。  ただ、元画像のシャープさや写っている物によって変わります。 「しきい値」  シャープにしない階調の幅です。  アンシャープマスクフィルタのかからない範囲を限定します。  これが「0」だと、不要な部分までシャープになって、  滑らかにしたい部分までもざらついたりしてきます。  通常、かっちりした景色や機械物等は、2〜5くらいを多用し、  人物ややわらかいものだと、5〜15くらいをよく使います。 このアンシャープマスクフィルタも、 かかりすぎには十分注意しましょう。 RGBモードではなく、LabモードでLチャンネルだけに 適用してみてもうまくいきます。 特に、輪郭に色にじみがある場合やカラーモアレが発生している時など、 その色が強調されてしまうのを防ぐ意味でも 濃度だけにアンシャープマスクフィルタをかけることは有効ですね。
                
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