31F 知恵と知識の間
「デジタルカメラを使いこなそう! Part11」
「階調とは何だ」 〜きれいな色へのテクニック〜
と題して、今回は「ヒストグラムの見方」についてです。
デジタルカメラでは、ダイナミックレンジをエンハンスメントする機能が
いまひとつ十分ではありません。
色温度をオートで調節する機能は、ほとんどのデジタルカメラに
搭載されているわけですが、このホワイトバランスの機能では
ダイナミックレンジまではうまく調整しきれないのが現状です。
たとえば、曇りの日に写した画像は、やはりねむたい感じになります。
こんな感じに、中間部分に偏っています。
被写体に対して忠実だと言ってしまえばそれまでですが、
そこはやっぱりデジタルのいいところを活かして
すこしでもきれいに見えるようにしたいところです。
そこで必要になるのがヒストグラムを確認してみる作業です。
ヒストグラムの山の状態を確認して、
より感じたままの色調になるように補正をかけることです。
そのイメージに合った山の形を経験でつかんでおけば、
より効率のいい補正作業ができるようになります。
あはは、これはちょっと大袈裟で、ハイライト部分が
飛び気味になってしまっていますが、全体にピクセルが分布しています。
現在の多くの画像処理アプリケーションは、
デジタルカメラの画像成分を「R・G・B」の三原色で表現しています。
そして、それぞれの色を0〜255の256段階で表現しています。
このことは、最も基本的なことですので、いつも頭の中に置いておくように
しなければいけません。
この範囲に収まるようなコントラストを常にあたえてあげるのです。
話が微妙にずれてきちゃいましたので、コントラストについては
あとあと取り上げていくこととして、実際の後処理の行程である
レベル補正について少し触れておきます。
このレベル補正では、ヒストグラムを参考にして補正をかけることが
出来ます。
まずは「RGB」のまま、山の形を見て下さい。
すべてのレベルを使いきっているでしょうか?
0のレベルと255のレベルにピクセルが存在していれば
使いきっていることになるわけですが、あまり多すぎると
白飛びや黒つぶれになってしまっているということです。
極端に偏っていれば、適正露光が与えられていない可能性が
大きい・・・といった具合に見るものなのです。
前述のどんよりと曇ったシチュエーションでの撮影をした画像は、
かなり中心近辺に偏った山の形になっていると思います。
これを、0〜255に割り当てなおせば、全ての諧調を使いきっている
きれいな画像に補正したことになります。
ハイキーやローキーの場合のヒストグラムの形も憶えておけば、
ウソテクも使えるようになりますね。
しかし、撮影時にコントラストが強すぎて、白飛びや黒つぶれに
なっている場合はどんなことをしても修復不可能なんです。
擬似的に「らしく」見えるようにすることは多少はできますが、
無いものはないんです。なんともなりません。
それほどCCDはシビアな受光素子だということも憶えておいてください。
自信が無ければ、
余裕を持って控えめなダイナミックレンジの幅にしておくとか、
飛びそうな所やつぶれそうな所を露光を変えておさえておくと言った
撮影のしかたもデジタルでは可能ですね。
あーぁ、やっぱり主題から脱線している・・・
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