32F 知恵と知識の間
「デジタルカメラを使いこなそう! Part12」
今回は「不要なトーンは捨てる」についてです。
デジタル画像のほとんどは、0〜255までの256階調で作られています。
RGBカラーなら、それぞれのチャンネルに256階調×3で、
CMYKならそれぞれのチャンネルに256階調×4です。
ようするに、8ビットの階調をチャンネルごとに持っているんです。
処理の途中まで16ビットで処理をしてきても、
出力時にはほとんどが8ビットになるんです。
今回は、わかりやすいようにモノクロの場合を考えてみます。
チャンネルがひとつですので、0〜255までの256階調ですね。
その中の0のレベルが真っ黒に当てはまります。
そして、255のレベルが真っ白に当てはまります。
画像のヒストグラムを見てみましょう。
0〜255まで無駄なくピクセルが存在しているでしょうか?
これだけのダイナミックレンジがありながら、
真っ黒や真っ白が存在しない画像もあります。
これをレベル補正によって、階調を有効に再割り当てをしてあげる作業を
ダイナミックレンジエンハンスメントと言いますが、
意図的に階調を捨てることもあります。
例えば、ダイナミックレンジの狭いスキャナーで発生しやすい暗部ノイズや
安いデジタルカメラの画像にありがちな、白のにごりや暗部のノイズ。
暗い部分がざらついている状態を何とかしたいことってありますよね。
こんな時は、無理に暗部の階調を再現しようとは考えずに、
思い切ってつぶしてしまった方が、結果的に良くなることがあります。
要はデータではなく、見た目を大切にする方が現実的ってことですね。
デジタルカメラは、デジタルなカメラだけど
画像と言う最終的な生産物は、人間の目で見て認識するものなので
ヒストグラムの最良なかたちなんて無いんです。
いらないゴミになる階調部分はつぶしたりして捨てちゃいましょう。
次の講座へ 前の講座へ 32Fロビーへ出る