36F 知恵と知識の間

「デジタルカメラを使いこなそう! Part16」 「人の目はボンクラ」 ついに今回から「見た目と機械の色の違い」と題して、 最低限の色合わせについて掘り下げていきます。 この分野は、いままで解説されている書籍とか語る人が 存在しませんでしたので、 ぼくの独断と偏見で自由勝手にやらせていただきますが 経験上はずしてはいないと思いますのでちょっと気に留めてみてください。 ディープな内容も含まれていますので 難解な部分も出てくると思いますが、これが理解できれば 画像処理のワープゾーンにはいったようなものですね。 では早速人の目はボンクラだと言うことについてです。 ぼくたち人間は比較によって物事を認識しているんだと思います。 特に映像の分野では、デザインにしろ色にしろ 過去の経験との比較によって判断していることが多いんです。 だから上達するには数多く写真を撮れと言われているのかな。 このことについてはあまりに広範囲なことなので色に限定して考えてみると、 ナチュラルなグレーを言い当てられる人は少ないと思います。 これは、光源の影響や環境色の影響も見逃せません。 たとえば、晴天の青空の元、白い紙切れを持っていて これが本当に真っ白かどうかわかりますか。 車の白い車体はいろんな白い程度がありますが、 本当にナチュラルな白はどのあたりか、判断はつきにくいと思います。 日陰に入ると青く見えますが、はたして何人が青く見えると 認識しているでしょうか。 このあたりも観察力と記憶と比較にかかってくるんです。 記憶があいまいなら、確かな現物を持ってきて リアルタイムな比較をしてみましょう。 自分なりのスケールを身につけて、これを基準に比較して 判断をすることが大切です。 だまされないでね、錯覚なんかに。 でも、この錯覚も必ず起こる現象ですので、 この錯覚を補正する分量も身につけないといけません。 たたし、最後に言っておきたい事は、 これらのことを理解して基準を身につけた上でのことだけど、 錯覚分を補正した絶対的な色よりも、人間としてだまされている色の方が 感覚上ほんとは正しいんだってこと。 わかりやすく言えば、機械による測定値よりも 自分の目で見て判断した色のほうが実用的だということです。 ぼんくらな人の目を通して伝えたい事柄は、 絶対的な測定値ではなく、相対的な認識の上で成り立っているんです。
                
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