60F 知恵と知識の間
「デジタルカメラを使いこなそう! Part40」
「光の読み方」 〜光の性質は見えにくい〜
「光質というもの」
光の種類には、明るいとか暗いという、明るさ=光量があり、
色温度や青っぽいとか、赤っぽいとかの光の色もあり、
硬いとか、柔らかいという光の重さや力のようなものを表す
光質というものもあります。
この光質というやつが、つかみづらいくせに重要なものなのです。
点光源では、主光線とその周りからの反射等の環境光の関係ですが、
影の出かたがきつく、美しくは見えにくいものなんです。
通常スタジオで使用されているメイン光源は、ストロボを被写体に
直接当てるようなことはあまりなく、傘のようなもので反射させた
間接光を使ったり、ボックスの中で拡散させてディフューザーを通して
被写体に光を与える方法が多くとられています。
これらの光源を面光源と言い、ライトをコントロールするための
ひとつの手法になります。
面光源は、じつにさまざまな性質を持った光源を作ることができ、
その光を使ったライティングも、ちょっとした使い方ひとつで
光質を自由にコントロールすることができるのです。
光の腰をクタクタにしたければ、パラソルを利用して指向性を砕き、
トレペで拡散具合を調節します。
少し光が読めるなら、発光部の力を利用して指向性を少しだけ生かした
ライトボックス、通称バンクとか言われるものを使います。
この場合、正面から見て発光部の広いC型のチューブになっているものは、
拡散の効果が得られにくいので、ディフューズを多めにかけて
光を散らすので、次述のU型チューブと傘を使ったものの
中間的な光質になります。
そして横から見て発光部がU型のチューブになっているものは、正面よりも
横方向に多くの光を発しますので、バンクからの拡散光を多く含む
やわらかい光質を得やすくできています。
しかもディフューズが浅くできるので、生光の強さも兼ね備えた
非常に美しい光を作ることができます。
ただ、使いこなしが非常に難しく、光の芯と拡散光のバランスや方向性を
しっかり読めなれれば、大失敗につながります。
うまく使えれば、このライトが美しい光質のグラデーションを作り上げて
必要な部分にパンチのあるやわらかいライティングになるんです。
光をレフでおこしたり拡散させたりして光を回すとにごりになります。
どこかでこの濁りをスッと抜いてやる部分も必要です。
それから、ライトは距離の2乗だったっけ、に比例して明るさが変わって
くることも知っておいてください。
当然、ライトにいちばん近い被写体の一部分と光の当たっている
一番遠い部分に明るさの差ができますよね。
ライトを被写体に近づければ、その差はおおきくなり、
遠ざければ差は少なくなります。
そしてもうひとつ、
被写体から見てライトが近づいてくると、ライトが大きく見えますよね。
物理的に同じ面積のライトボックスの光っている面でも、
ライトを近づけると発光面を大きく使うことができます。
当然影の出方も変わってきます。
このあたりは、是非実際にテストして実感してくださいね。
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