64F 特集ルーム
「感じたら撮る」
写真の楽しみのひとつに、感性の記録というものがあります。
・・・っていうか、ぼくはあると思っています。
デジタルカメラが普及して、しかも、携帯電話にまでカメラがついている
今日このごろですので、いつだって手軽に写真が撮れる環境は
もう整っていると思ってもいいですよね。
だったら、ためらわずにシャッターを思うがままにきってみましょう。
自分の欲求にすなおになれば良いだけのことです。
普段の生活の中で、自分を取り巻く環境を興味を持ってひとつひとつ
観察してみると、とても面白いことに気づくはずです。
それは、写真を撮ろうと思って構えることではなく、まず自分の目で
スポット的にイメージカットを切り取ってみることです。
そこで、「あれ、いい感じじゃん」と思ったら、具体的にカメラを向けて
フレーミングしてみます。
たとえば、窓から差し込む光が美しかったなら、その光になぜ感動したのか
と言うことを写真に撮りながら突き詰めていくんです。
そうすると、その光を活かすための演出がしたくなります。
すがすがしい窓辺の光のためにクリスタルなグラスを置いてみたりする。
これだけでは物足らなくなり、何かをそそいでみる。
なんかありきたりに思えて、グラスにくだらん物をいろいろと挿してみる。
すると、この対象よりも影の出方がいい感じなのに気がつく。
これはもともとの動機だった光の美しさに立ち戻ったことになり、
さらにグラスで屈折した光の造形を楽しんでいることに気づきます。
感じたら撮る。そして欲求のままに行動して、何に感動したのかを
写真を撮りながらつきとめていく。
すべての基準は自分の中にあり、他人や一般のことなんか
どうでもいいことなんですよ。
ましてやいい写真を撮ろうとか、うまく見せようなんて考えが
少しでもよぎったら仕切りなおしした方がいい。
大抵のスランプなんて、こんなもんだ。
大事なことを見失っていることに気づかなくなっているだけ。
他人の評価を気にして、すばらしい才能や個性をだめにしちゃった人が
なんと多いことか。
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