67F 資料室
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━━━━━ インターネットメールで届く・デジタル写真専門誌 ━━━━━
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┏┏┏┏ デジタル写真セミナー 2003 9月号 No.89
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まぐまぐ発行・配送数: 9771 部
めろんぱん発行・配送数: 1054 部
《目次》
・ [特集] デジタルの見られ方
・ [連載] 入力の知恵・画像の知識
(デジタルカメラを使いこなそう! Part47)
・ [連載] ちょっとかしこいフォトショップ・テク
(レイヤーオプションで自然なシャープ処理)
・ [連載] 思いつきのショートコラム
(カンに頼ってもいいんじゃないの)
・ いいもの紹介 (中古メモリー)
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===== はじめに =====
9月号がかなり遅れましたが・・・ぼくは健在です。
ほんと、時間の経つのって速いと思いました。
仕事がかたまると、一日一日が短くて、いくら時間があっても足らないね。
遅くなった分、内容の濃いものをお贈りします。
ご意見ご感想や、何かお恵みは tsuji@chitanet.or.jp まで!
必ず返信いたしますので、なかなか返事がないなぁってときは
何かのトラブルの可能性がありますのでもう一度送信して下さいね。
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[特集] デジタルの見られ方
とある学校で、今年の卒業アルバムは、フィルム撮影のアナログ編集で、
デジタルを使わずにやって欲しいと言う話が舞い込んできた。
デジタルカメラの画質が良くないからと言う固定概念が元々の理由だ。
たしかに、学校で使用している旧型のコンパクトデジカメの画質は
良くないし、解像度も低く、最高圧縮にしているので
写真にプリントすれば、当然ひどいもんだ。
再三にわたり、プリント用の撮影時の設定について説明しているのだが、
使う本人が良くわからんから、デジカメにちょっと詳しい同僚の先生が
いちばんたくさん撮れるようにセットしちゃうようですね。
先生業界にはその業界なりのデジタルのカリスマがいるんです。
それで、デジタルカメラでは「満足できん」となる訳。
そこから思い込みに火がつき、いろんな噂や古い情報が油を注ぎ、
「デジタルは銀塩には勝てない」とか、「写真の深みが無い」だとか、
そんな受け売りのことを信じて、現実に目を向けようとしない。
とにかく自分で実際に見比べて判断しようと言う意志がないんです。
こちら側からすれば、使う機材や編集方法まで指定されるのは不本意だけど、
銀塩カメラでフィルム撮影していれば満足するのであれば
もう、そうするしかない。
たとえこちらで使っているデジタルカメラが一眼レフで高画質であろうが
デジタル画像の仕組みを理解して正しく使って、
銀塩よりもどんなに高画質にできようが、そんなことは関係ない。
先方が強い思い込みで、デジタルを使っていること自体がダメだと
言っている以上は、銀塩でやるしかない。
ちょうといい機会なので、現在のアナログ技術でどこまでやれるか
テストしてみるいいチャンスかもしれません。
実際にその学校の卒業アルバムを受け取る生徒に対しては、
非常に残念で申し訳ないことだけど・・・
と思っていること自体が、こちら側の思い込みである。
結果が出るのは半年後なので、またの機会に報告するとしましょう。
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[連載] 入力の知恵・画像の知識
「デジタルカメラを使いこなそう! Part47」
「構図はもっとも簡単なTips」 〜誰でも上達、構図のあれこれ〜
「アングルも考えてみる」
さて、前回の縦か横かという画面の作り方が決まったら、
次はカメラアングルにも少し気を使ってみましょう。
カメラのアングルは、水平を基本として上に向けていくか、下に向けて
いくかになります。
カメラを水平に構えると、縦横の水平線と垂直線が直角になり、
最も癖の無い自然な構成になります。
カメラを上へ向けていくと、垂直線が内側に傾き、
上方への遠近感が出てきます。
逆に、カメラを下へ向けていくと、垂直線が外側に傾き、
頭でっかちな映像になります。
水平面のものを撮影している場合は、
下に向けるほど正確な形になり、真上からの撮影でありのままになり、
カメラをもどしていくに従い、奥の背景が入りだして遠近感が出てきます。
この効果は、レンズの焦点距離が短い広角レンズになるほど強く現れます。
これが一般的なカメラアングルの考え方です。
そしてもうひとつの考え方として、視点としてのカメラアングルがあります。
被写体に対して、自分(撮影者)の関係、接し方、考え方をアングルによって
伝えていく手法です。
撮影者は写真には写りませんが、カメラアングルを使って撮影者の存在を
写真に写し込むのがこの撮影方法のミソです。
例えば、子供の写真を写す場合を考えてみます。
被写体は子供で、撮影者が親や大人的な関係にある場合、
カメラ位置は、子供の目の高さよりも上にきますので、
カメラアングルは、水平よりも下に向けての撮影になります。
上から見下ろすことにより、子供のかわいらしさや幼さが引き立ちます。
撮影者が子供の世界に入り、友達という関係で撮影したい場合は、
被写体の子供の目の高さ近辺にカメラを構えることになり、
カメラのアングルは水平に近くなります。
子供と対等になり、子供の世界に入ることで親近感ある写真になります。
撮影者が子供をたよれるお兄さん的な関係で撮影したい場合は、
被写体の子供の目の高さより低い位置にカメラを構えることになります。
子供のたくましさや成長、自立を感じさせる写真になります。
辻徳流のカメラアングルには、
撮影者の存在を写し込み、被写体との関係や撮影者の感受性を反映させた
画作りをするための重要な要素が秘められているのです。
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[連載] ちょっとかしこいフォトショップ・テク
「レイヤーオプションで自然なシャープ処理」
画像をシャープに見せるために、アンシャープマスクというフィルターが
多用されますが、このシャープに見せる処理は、遠目で見てシャープに
見えるよう、画像の輪郭のエッジを立てて荒らしているのです。
アンシャープマスクをかけるとシャープには見えるのですが、
黒の縁に見苦しい白い輪郭が出て、
これがデジタルっぽいいやらしさの代表的な欠点になっています。
そんないやらしさを、レイヤーオプションを使って消してしまいましょう。
これはぼくの知る限り誰もやっていない、かなり使えるテクですよ。
やり方は、作業は通常に行えばいいのですが、アンシャープマスク
フィルタをかける時に現物にかけるのではなく、
レイヤーにコピーを作成して、このレイヤーに対してちょっと多めに
アンシャープマスクをかけます。
右三角をクリックしてそのレイヤーのレイヤーオプションを実行します。
レイヤーオプションのブレンド条件にある「選択されたレイヤー」の
スライダを動かして、輪郭のシャープさを調整します。
ぼくは黒を40、白を150を基準として画像により調整しています。
調整できたら確定し、このレイヤーを下のレイヤーと結合します。
この一連の流れをアクションやドロップレットにして
自動実行しているのが、実際の作業方法です。
どうですか、あんまりデジタルっぽくなく自然にシャープになったでしょ。
レイヤーの合成範囲の指定について、ちょっと補足しますと、
このレイヤーオプションダイアログボックスのスライダを使うと、
選択しているレイヤーのピクセルと、下にあるレイヤーのピクセルの
合成方法をいろいろと操作することができるんです。
たとえば、選択しているレイヤーの暗いピクセルを削除したり、
下にあるレイヤーの明るい部分だけを強制的に表示させたりできます。
白のスライダをドラッグすると合成範囲の上限が設定され、
明るさがそれ以上のピクセルは合成されず、画像上にも表示されません。
黒のスライダをドラッグすると下限が設定され、
明るさがそれ以下のピクセルは合成されません。
これを下のレイヤーに対して行うと、
選択されているレイヤーを通して画像上に表示されるんです。
また、カラーチャンネルを利用してチャンネルの色だけとか、
部分的に合成したピクセルの範囲を指定して、合成した部分から
合成していない部分への移行を滑らかにすることもできるんです。
部分的に合成したピクセルのカラー範囲を指定する場合は、Alt キー
(Windows)または Option キー(Mac OS)を押しながら、
スライダの下の三角形の半分をドラッグします。
スライダに表示される 2 つの値は、部分的に合成する範囲を示します。
今回は、ちょこっと難しかったかな・・・
画像を操作する上で、かなり重要な部分なので、じっくりと
時間をかけて、レイヤーオプションの仕組みを理解してくださいね。
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[連載] 思いつきのショートコラム
「カンに頼ってもいいんじゃないの」
最近よく思うことに、勘と裏付けについて案外つながっていると思う。
根拠の無いカンもあるかも知れないけど、
ほとんどのカンは、経験や知識の裏づけがあるんじゃないかな。
発想についても同じことが言えるけど、過去に積み重ねてきた
イメージトレーニングであったり、潜在的に経験していたことがらから
瞬時に判断して出た反応なんだと思う。
ちょっと大げさに言えば、写真を撮影することを業としていると、
なんと、未来を予測することができるようになる。
これは嘘でもなんでもなく、被写体の動きをカンで予測しているんです。
とは言っても、将来のこととかではなく、ほんのわずかな先のこと。
カメラには、シャッターボタンを押してから実際に撮像するまでの
タイムラグが必ずあります。
ミリセコンドの世界ですが、寸分狂わず正確に未来の状態を予測して
求める画像を先読みして、前もってシャッターボタンを押す動作をします。
すると、レンズが絞り込まれてカメラのミラーが跳ね上がり、
タイムラグで遅れたシャッター幕が開いて、露光が始まります。
このタイミングに未来予測していた求める画像を、
ドンピシャと的中させるのがカメラワークのひとつになります。
もう少し発展させると、求める絵柄になるようにモデルを導いたりする
そんな未来予測よりも積極的な未来を創っていくことにもつながる。
カンを頼りに、あの手この手でね。
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いいもの紹介
「中古メモリー」
つい先日、デジタルカメラのデータストレージ用に、
CFスロットのある小型のノートパソコンを新しく買ってしまいました。
操作しやすいように、タッチモニターになっていて、薄くて軽いものを
探していましたが、タブレットPCはまだ高くてちょっと、ということで
タブレットにならない安いモバイルにしました。
単にデジカメの撮影データをバックアップするために買ったんだけど、
その場でレタッチして納品することも多いので
やはり標準で搭載しているメモリー容量では、ちょっと不安。
ノート用のは256MBでも一万円を超えるんだって・・・
バルクでもないかなぁ、なんて思っていたそんなある日、
中古のノート用512MB(日本製)を発見しました。
なんたって、バルクと違って中古ならテストして購入できる。
そこで早速車の中に転がっているノートPCを持ち込んで
「このメモリー、このPCで動いたら欲しいんだけど・・・
512MBまで対応しているのかわからないから」と頼んだら
中古品だからOKだよって、快くテストしてもらえました。
難なく認識したので、そのまま起動。ちゃんとメモリー増えてました。
ノート用はなかなか無いので、見つけたときが買いどきですね。
┏┏┏ おしらせ ┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
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発行人 辻 徳明 tsuji@chitanet.or.jp
発行所 T+One DESIGN (辻写真館 ベンチャーセクション)
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Copyright (C) 1997-2003 by Tokuaki Tsuji
Presented by "PhotoStudio TSUJI" Shinmaiko, Chita-city, Aichi, Japan
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