67F 知恵と知識の間

「デジタルカメラを使いこなそう! Part47」 「構図はもっとも簡単なTips」 〜誰でも上達、構図のあれこれ〜 「アングルも考えてみる」 さて、前回の縦か横かという画面の作り方が決まったら、 次はカメラアングルにも少し気を使ってみましょう。 カメラのアングルは、水平を基本として上に向けていくか、下に向けて いくかになります。 カメラを水平に構えると、縦横の水平線と垂直線が直角になり、 最も癖の無い自然な構成になります。 カメラを上へ向けていくと、垂直線が内側に傾き、 上方への遠近感が出てきます。 逆に、カメラを下へ向けていくと、垂直線が外側に傾き、 頭でっかちな映像になります。 水平面のものを撮影している場合は、 下に向けるほど正確な形になり、真上からの撮影でありのままになり、 カメラをもどしていくに従い、奥の背景が入りだして遠近感が出てきます。 この効果は、レンズの焦点距離が短い広角レンズになるほど強く現れます。 これが一般的なカメラアングルの考え方です。 そしてもうひとつの考え方として、視点としてのカメラアングルがあります。 被写体に対して、自分(撮影者)の関係、接し方、考え方をアングルによって 伝えていく手法です。 撮影者は写真には写りませんが、カメラアングルを使って撮影者の存在を 写真に写し込むのがこの撮影方法のミソです。 例えば、子供の写真を写す場合を考えてみます。 被写体は子供で、撮影者が親や大人的な関係にある場合、 カメラ位置は、子供の目の高さよりも上にきますので、 カメラアングルは、水平よりも下に向けての撮影になります。 上から見下ろすことにより、子供のかわいらしさや幼さが引き立ちます。 撮影者が子供の世界に入り、友達という関係で撮影したい場合は、 被写体の子供の目の高さ近辺にカメラを構えることになり、 カメラのアングルは水平に近くなります。 子供と対等になり、子供の世界に入ることで親近感ある写真になります。 撮影者が子供をたよれるお兄さん的な関係で撮影したい場合は、 被写体の子供の目の高さより低い位置にカメラを構えることになります。 子供のたくましさや成長、自立を感じさせる写真になります。 辻徳流のカメラアングルには、 撮影者の存在を写し込み、被写体との関係や撮影者の感受性を反映させた 画作りをするための重要な要素が秘められているのです。
                
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