73F 資料室
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━━━━━ インターネットメールで届く・デジタル写真専門誌 ━━━━━
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┏┏┏┏ デジタル写真セミナー 2004 4月号 No.95
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まぐまぐ発行・配送数: 8777 部
めろんぱん発行・配送数: 1095 部
《目次》
・ [特集] 写真は(ある意味)道具!?
・ [連載] 入力の知恵・画像の知識
(デジタルカメラを使いこなそう! Part53)
・ [連載] ちょっとかしこいフォトショップ・テク
(デジカメの色癖補正)
・ [連載] 思いつきのショートコラム
(値切る)
・ いいもの紹介 (ペンタブレット)
□ 広告募集 http://www.chitanet.or.jp/users/tok/koukoku.html
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===== はじめに =====
なまけてまして、大幅に遅れました。
ゴールデンウイークは、いかがでしたか。
今年はひっちゃかめっちゃかで、訳がわからないうちに
気がついたら祭りも終わりました。
遅れた分だけボリューム満点になりましたので、
何日もかけてゆっくりとご覧下さい。
来週に入ると、また東京出張の集中攻撃です。
13〜15、17〜19、これが終わると関西方面へ。東へ西へ。はぁ〜。
ご意見ご感想や、何かお恵みは tsuji@chitanet.or.jp まで!
必ず返信いたしますので、なかなか返事がないなぁってときは
通信上のトラブルの可能性がありますのでもう一度送信して下さいね。
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[特集] 写真は(ある意味)道具!?
写真にかぎらず、うまい下手というのは表現能力とテクニックによって
大きく違ってくるのが一般的です。
そして才能があるとかないとかは、他人である一個人の
偏見交じりの相対的評価に過ぎないものです。
評価されている人も、されていない人も、相手や環境が変わると
逆転することなんて、よくある話です。
誰だって、興味に対してまっすぐに観察して自分なりの表現をすれば
誰にも真似のできないアーティストです。
ただ、この自分なりの表現を写真で実現するためには
それに合った道具が必要になります。
主役に焦点を当てて背景をぼかしてきれいに見せるためには
望遠レンズか明るいレンズが無ければ撮ることはできません。
狭い部屋で大勢の集合写真を撮るには、より広角のレンズと
強力なフラッシュライトが必要になります。
このことと同じように、自分が描いたイメージを
フィルムもしくはCCDとかCMOS・・・ややこしいなぁ・・・
・・・とにかく撮像素子に焼き付けるためには、当然それなりの
道具が必要になってくるものです。
肌とか生地の質感に感動したのなら、シャープで忠実なクリアなレンズと
ノイズが少なく、解像力の高い撮像素子が必要になります。
そしてそれを生かす為のライティングに使う照明器具も必要です。
結局、突き詰めていくと高価な道具がごろごろと増えてしまうんです。
安物の道具では、素人くさい写真しか撮れないという言葉も、
あながち嘘ではないかもしれません。
道具に救われたりするのも、よくあることです。
でもせっかく買ってしまった安物でも、
100%以上の力を発揮させることだって状況次第ではできるんです。
その製品の特性を十分理解して、限界の部分で使ってやれば
目的次第では見違えるような写真が撮れます。
要は、高価な道具で余裕で使える場面は、安物では限界で使っていくんです。
わかりやすく言えば、暗いレンズを使っている分だけ
シャッターがスローになるので、腕力?や何かによりかかるなどの知恵で
対処してくださいよってこと。ん〜、ちょっと違うけど。
そのためのリスクは大きいので、より精神力やテクニックが
要求されるかもしれませんが・・・
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[連載] 入力の知恵・画像の知識
「デジタルカメラを使いこなそう! Part53」
「画角と被写界深度のテクニック」 〜主役と脇役の関係〜
「省略の重要さ」
さきほどの機材は突き詰めるほど高価なものがごろごろと増えてしまう
という話、道具に救われることもあるという話は、撮影するための
機材でのこと。
イメージを表現するためには、それに見合った道具が必要になりますので
どんどんと機材が増えてしまいます。
それとは対照的に、写真画面の中身は、撮影意図がはっきりしてくるほど
単純に、シンプルになってきます。
通常の場合、カメラを向ければその見える範囲が全て写ります。
そこから不要なものを省略していく作業が、撮影テクニックになります。
省略の方法には、
ぼかしたり、小さくしたり、画面を切り取ったり、フィルターを使ったり、
つぶしたり、飛ばしたり、同化させたり、目立たなくしたり、
気づかなくさせたり、レタッチで削除したりと様々。
中でも、わかりやすい省略方法は、
「不要な背景を切り取る」と「背景を小さくする」という
レンズの画角による省略方法があります。
余分なものが画面に入らないように、望遠レンズを使って
画面内をシンプルにすることと、これとは反対に
広角レンズを使って、不要な背景を視認できないくらいに小さくしてしまう
といった方法があります。
そして、焦点距離と絞り値をコントロールして被写界深度を利用した
ぼかしのテクニックはよく知られています。
その他には、つぶしたり、飛ばしたりと言った露光を工夫して
省略する方法も時々見られますので、気にかけながらいろんな写真を観ると
面白いと思いますよ。光を使った同化もなかなかイカシテます。
そして、構図と言うか、心理を利用して目立たないように配置させたり、
形としての同化もありです。
とにかく写真は、不要なかたちや光をいかに省略して
主役をアピールするかって事です。
ヒトの目のように、勝手に見たいものだけ見えるのなら
こんな苦労は無いんですけど・・・
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[連載] ちょっとかしこいフォトショップ・テク
「デジカメの色癖補正」
さてさて今回は、デジタルカメラで撮影した写真の
その独特な色調を補正する方法です。
急に高度なお話になるかもしれませんが、
デジタルカメラを使う以上は避けて通れない部分なので、仕組みだけでも
「ふ〜ん、そうなんだ」くらいに思っておいてくださいね。
デジタルカメラには、多かれ少なかれ、色が不自然な部分があります。
同じデジタルカメラを使い続けると、だいたいどこがおかしいのか
見当がついてきますが、始めのうちはなぜか色が変だと思うだけで、
どこがどうおかしいのか、原因がはっきりしないものです。
そんな時のヒントになればと思い、
どこがどうおかしいのかを順番につきとめていきます。
最初は、各RGBのダイナミックレンジはどうか。
ヒストグラムを表示して、各色のレベル値を見てみましょう。
ハイライトポイントはどこにあるのか、シャドウポイントはどこにあるのか、
ここがおかしければレベル補正で直します。
ホワイトバランスのニアミスにも有効です。
明るさも補正する必要がある場合は、ここで各色のガンマ
(レベル補正の中間スライダを使って、色味や濃度)も調整しましょう。
大きく補正する場合は、一旦16ビットに変換してから補正した方が
いいかもしれません。シャドウ部のトーンジャンプが目立たなくなります。
補正値は、保存して基準として再利用しましょう。
ほとんどの画像はこの程度で自然な発色になりますが、
クセの強いデジタルカメラの場合は、色相・彩度をさわります。
「イメージ」→「色調補正」→「色相・彩度」を実行します。
カラースケールのチャートが撮影してあれば特性がつかみやすいのですが、
人物の肌色でも調整しやすいと思います。
カラースケールの場合、特定の色が彩度不足や過多になっていないかどうか。
また、特定の色だけ色相がずれていないかどうかを見ます。
たいていの場合偽物っぽい発色は、イエローだけ彩度が高くて色相が
ずれているとか、レッドの明度が低かったりしますので、
ここで調整します。
コンパクト系に多い彩度の高すぎもここで低く補正しますが、
補正前にヒストリーのスナップショットをとっておいて、
本当に真っ赤とか真っ青という部分は、後からヒストリーブラシで
彩度を上げてやるための配慮もしておいた方が良いでしょう。
これも補正値を保存して、他のコマに再利用します。
そして、これでもおかしい部分は、Labモードを使って
トーンカーブで補正をかけます。(時には色相・彩度も)
デジタルカメラと銀塩の画質の違いは、色の乗りかたと明度の濃淡に
起因することが多いので、
実は、初めからこうすればよかったりしますが・・・
この方法は、デジカメの色作り時にできる歪み等のアラも出てしまう
と言うもろ刃の剣でもありますのでご注意を。
では、ちょっと脱線していたずらしてみましょう。
Labモードで色相・彩度を実行して、編集のマスターをレッドやイエロー等
にして、明度を大きく上げたり下げたりしてみてください。
目立たなかったノイズが、ほら、ひどいものです。
圧縮が強かったり、作りの悪い画像は特にひどくなります。
普段は目立たないだけなんですね。
遊びはこの辺にしておいて、このLabモードでのトーンカーブは、
LをS字方向にしてガンマを立てて、その他のaとbは
中間付近のガンマを下げてやります。
ぶっちゃけると、ダイナミックレンジを保ちつつ
墨の濃淡のメリハリをつけて中間付近の色濃度を浅めにする補正。
この補正を適用すると、ほとんどのデジタルカメラは
ネガプリントのような質感になります。
補正値の保存と、アクションかドロップレットを作成して
効率よくお仕事しましょう。
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[連載] 思いつきのショートコラム
「値切る」
値切るという行為は、時と場合によっては逆効果となってしまいます。
真っ向から値切られると、用意していた別のサービスもやめちゃうのは
ぼくだけではないはず・・・
そもそも、この値切るという行為。これは同一商品を他より安く入手
したいので、もう少しなんとかならんのかとお願いするのが普通。
値切りに成功すると、お互いに気分もよくなります。
しかし、ことサービスを主体とする商品の場合はどうでしょう。
撮影時に特別な注文をいろいろと出しておいて、
こちらはその無理難題に応えていく。
あらかじめ切ってあった見積もりではこんなサービスまでは入って
いなかったが、ま、ノリというか、喜んでいるのでついサービスして
しまいます。
頭の中では、小さいサイズでプレゼントしてあげようかとか、
コンタクトシート風に全コマを焼き付けてあげようか、なんて
楽しいことを考えながら。
そして撮影も見積り請求も終わり、後日納品と支払いの場になって
いきなり「もっと安くならないのか」って言われても・・・
値段交渉の時には十分勉強して話がついていたはずなのに、
しかも、仕上がりを確認もせずに!
仕上がりの良し悪しなどどうでもよく、ただ安ければいい客だったのか。
これ以上の屈辱はないでしょ。
ぼくの目の前で写真に目を通して、何らかのリアクションをしてよ。
きれい事でもなんでもなく、本当にこの納品の喜んでもらえる瞬間が
次のやる気につながって研究にも力が入るんですよ。まじに。
当然、あげるつもりだったコンタクトシートも
まけてもいいと思っていた端数も、このお客さんは失うことになりました。
ぼくは、あまのじゃくですか?
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いいもの紹介
「ペンタブレット」
ついに手に入れました。・・・ってそんな大げさなことでもないんだけど
ワコムのタブレットを始めて使ってみました。
何で今まで使わなかったのか自分でも不思議でしたが、
多分眼中になかっただけでもあり、食わず嫌いだったのでしょう。
食わず嫌いというほど意識していた訳でもないので、
やはり気にもかからない存在だったのでしょう。
使ってみた感想は、シートの表面が滑りすぎて全く使い物にならん。
クリックがドラッグになってしまう。
クリック感が無いので、まるでパントマイムをしているような
リアリティの無さは、作業効率を極限まで低下させました。
いかん、これでは機械に使われている。
左手で箸を持って豆をつまもうとしているようなもどかしさを
何とかしなければ・・・・
そうか、簡単なことだ。
タブレットにコピー用紙を貼り付けちゃえ。筆圧も重くしてと。
うおっ、きたきたきた。
この現実感。ペン先まで神経が届いた感じ。
筆圧を使った焼きこみツールは、鬼に金棒だぜ。
へぇ〜、強く抑えると、濃度の%も上がって範囲も太くなるんだぁ。
この手のツールには強力な道具なんだ。
さて、ペン先のスペアを買いに行こ。
┏┏┏ おしらせ ┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
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発行人 辻 徳明 tsuji@chitanet.or.jp
発行所 T+One DESIGN (辻写真館 ベンチャーセクション)
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