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「デジカメの色癖補正」 さてさて今回は、デジタルカメラで撮影した写真の その独特な色調を補正する方法です。 急に高度なお話になるかもしれませんが、 デジタルカメラを使う以上は避けて通れない部分なので、仕組みだけでも 「ふ〜ん、そうなんだ」くらいに思っておいてくださいね。 デジタルカメラには、多かれ少なかれ、色が不自然な部分があります。 同じデジタルカメラを使い続けると、だいたいどこがおかしいのか 見当がついてきますが、始めのうちはなぜか色が変だと思うだけで、 どこがどうおかしいのか、原因がはっきりしないものです。 そんな時のヒントになればと思い、 どこがどうおかしいのかを順番につきとめていきます。 最初は、各RGBのダイナミックレンジはどうか。 ヒストグラムを表示して、各色のレベル値を見てみましょう。 ハイライトポイントはどこにあるのか、シャドウポイントはどこにあるのか、 ここがおかしければレベル補正で直します。 ホワイトバランスのニアミスにも有効です。 明るさも補正する必要がある場合は、ここで各色のガンマ (レベル補正の中間スライダを使って、色味や濃度)も調整しましょう。 大きく補正する場合は、一旦16ビットに変換してから補正した方が いいかもしれません。シャドウ部のトーンジャンプが目立たなくなります。 補正値は、保存して基準として再利用しましょう。 ほとんどの画像はこの程度で自然な発色になりますが、 クセの強いデジタルカメラの場合は、色相・彩度をさわります。 「イメージ」→「色調補正」→「色相・彩度」を実行します。 カラースケールのチャートが撮影してあれば特性がつかみやすいのですが、 人物の肌色でも調整しやすいと思います。 カラースケールの場合、特定の色が彩度不足や過多になっていないかどうか。 また、特定の色だけ色相がずれていないかどうかを見ます。 たいていの場合偽物っぽい発色は、イエローだけ彩度が高くて色相が ずれているとか、レッドの明度が低かったりしますので、 ここで調整します。 コンパクト系に多い彩度の高すぎもここで低く補正しますが、 補正前にヒストリーのスナップショットをとっておいて、 本当に真っ赤とか真っ青という部分は、後からヒストリーブラシで 彩度を上げてやるための配慮もしておいた方が良いでしょう。 これも補正値を保存して、他のコマに再利用します。 そして、これでもおかしい部分は、Labモードを使って トーンカーブで補正をかけます。(時には色相・彩度も) デジタルカメラと銀塩の画質の違いは、色の乗りかたと明度の濃淡に 起因することが多いので、 実は、初めからこうすればよかったりしますが・・・ この方法は、デジカメの色作り時にできる歪み等のアラも出てしまう と言うもろ刃の剣でもありますのでご注意を。  では、ちょっと脱線していたずらしてみましょう。 Labモードで色相・彩度を実行して、編集のマスターをレッドやイエロー等 にして、明度を大きく上げたり下げたりしてみてください。 目立たなかったノイズが、ほら、ひどいものです。 圧縮が強かったり、作りの悪い画像は特にひどくなります。 普段は目立たないだけなんですね。 遊びはこの辺にしておいて、このLabモードでのトーンカーブは、 LをS字方向にしてガンマを立てて、その他のaとbは 中間付近のガンマを下げてやります。 ぶっちゃけると、ダイナミックレンジを保ちつつ 墨の濃淡のメリハリをつけて中間付近の色濃度を浅めにする補正。 この補正を適用すると、ほとんどのデジタルカメラは ネガプリントのような質感になります。 補正値の保存と、アクションかドロップレットを作成して 効率よくお仕事しましょう。
                
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