74F フォトショップ・ルーム
「デジカメの色癖補正2」 さてさて今回は、デジタルカメラで撮影した写真の独特な色調を補正する その具体的な方法です。 概要は前回に説明してありますので、今回は具体的にどんな補正になるのか 特定の機種をとりあげて解説して行こうと思います。 デジタルカメラは銀塩と比べると全般的にレンジが狭くガンマが低い 傾向がよく見られます。 そして、コンパクト系に多いのがイエローだけ目立ってしまう。 これは、色調整されていないモニターで見ると、非常にきれいに 見えるのですが、プリントしてみるとなんだか妙に黄色が目立ち、 作られたような色になってしまう。 ひどいものはミニラボでの対応では補正しきれないので、 うちではフォトショップのドロップレットで一括処理して 標準に近づけてから、ミニラボへ通すようにしています。 まぁ、コンパクト系ならあきらめもつきますが、一眼レフにも それ独特な色癖がありますので、大流行しているキヤノンのEOS10Dを 例にあげて具体的な補正をかけていきましょう。 EOS10Dは、非常にガンマが低く、ハイライトとシャドウを適正に設定すると 中間調がかなり濃度が高くなってしまいます。 液晶モニターではあまりひどく感じませんが、 プリント用にキャリブレートされたCRTで確認すると、やたら濃い。 そのまま明度を上げて明るくすると、ハイライトが飛んでしまいます。 レベル補正の中間スライダで調整しても、ヌメッとした感じに なってしまいますので、トーンカーブを使うしかないようです。 トーンカーブでは、シャドウ付近は元のポイントを維持しつつ、 ハイライト側を持ち上げてガンマの傾斜を立てて高くします。 ちょうどシャドウを軸にハイライトまで立てて、ハイエストライト近辺の 肩の部分をなだらかにまげて行きます。 ポイント: 0, 0 ポイント: 32, 30 ポイント: 204, 235 ポイント: 255, 255 ポイントとしてはおおまかに、こんな感じになります。 トーンカーブの曲線を確認してみてください。 8ビットJPEGでも問題ない程度できれいに仕上がりますが 神経質な方は、RAWから16ビットTIFFに書き出して このようなかたちのトーンカーブ補正をしてから8ビットに 落として保存すれば、微妙に違うかもしれませんね。