74F 知恵と知識の間

「デジタルカメラを使いこなそう! Part54」 「画角と被写界深度のテクニック」 〜主役と脇役の関係〜 「ピントはどこに」 最近のカメラは、ほとんどオートフォーカスになり、ピントを意識する 機会も少なくなりましたが、だからこそ意識してピントを合わせる対象を しっかりと確認してシャッターを切ることが大切なことになってきます。 もちろん、ピントを合わせる対象は主役となる被写体なのですが、 その中でもさらにどの部分にするかも気に留めてください。 ある程度絞り込んで被写界深度に入っているだろうからと言う考えで ピンポイントになる部分をおろそかにしていると、 気持ちの上での集中力や観察する力もいい加減なものになり 被写体から発生している力というか、訴えかけているメッセージを 読み取ることができなくなってしまいます。 ぼくが考えるに、ピントを合わせるという行為は 撮影者の力と被写体のある部分との波長を合わせるような感覚です。 被写体の一部分から発生している個性を受け入れて それをどのようにクリエイトしていくのかであったり、 逆にこちらの欲求をピンポイントに集中して 反応のある部分を探していく行為であったりもします。 このような大切な作業ですので、たとえオートフォーカスであっても、 そのフォーカシングポイントをセンサーのように操って 常に被写体となるもののポイントポイントをしっかりと観察していくことが 被写体の個性やメッセージを読み取るためのヒケツだと思います。 ピントを合わせるという作業が手動だった頃は 知らず知らずのうちにこのような観察をしていたはずが、 カメラ任せにできてしまう環境になったことによって、 被写体への興味までも失ってしまったのかもしれません。 これはオートフォーカスだからカメラ任せという非常にまずい勘違いで、 カメラは指定された部分に焦点を合わせるだです。 主役は何か、主役のポイントはどこにあるのか、 それを見極めてフォーカスポイントを当てて指定してやるのは撮影者です。
                
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