75F 知恵と知識の間
「デジタルカメラを使いこなそう! Part55」
「画角と被写界深度のテクニック」 〜主役と脇役の関係〜
「ピントの範囲」
ピントっていう言葉は英語ではなく、写真用語って言うか、
写真俗語って言うか、フォーカスの合焦しているように見える部分のことで、
ある程度の範囲を持っています。
そのピントの合っているように見える範囲を被写界深度と言いますが、
最小錯乱円の関係で焦点が合っているように見える範囲ができます。
焦点距離と絞り以外にも、拡大率を考慮した受光部の面積やレンズ性能まで
影響を受けてくるのがデジタルの世界です。
一般的にはフィルムサイズが小さくなるほど被写界深度は広がるものですが、
デジタルの受光部となると、フィルムに比べてかなり小さく、
大きいものでも小型カメラのサイズまであるものは少ないのが現状です。
と言うことは、ピントの合う範囲が広いのかと言うと、それ以外の
要素でまた難しいのがデジタルです。
受光部が小さいと、プリントの拡大率がそれだけ大きくなり、
レンズ性能にも大きく影響を受けます。
少々脱線気味ですので話を戻して・・・
撮影時にはピントを合わせます。
これに関しては前回説明したとおりで、とても重要な行為でもあります。
そしてピントにはある程度の範囲があります。
焦点距離の長い望遠レンズほどその範囲は狭くなり、
絞りを絞るほどピントの範囲は広くなります。
これは当たり前のこととしてわかってはいても、なかなか活用できている
一般の方は少ないように思います。
デジタルでは、ある程度の明るいレンズを付けている機器は値も張るので
活用しなければもったいないですよ。
せっかくズームレンズが付いているなら、遠くのものを大きく写すだけ
ではなく、背景をぼかすために望遠にして遠くから撮影したり、
パースを活かすために広角にして近づいたりして撮影してみましょう。
ピントの合う範囲を操作することは、ぼかし省略の操作でもあり、
距離感と共に写真の中の空気感を操作することでもあります。
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