76F 特集ルーム
「プロっぽく見える配色」
せっかくデジタルで写した写真は、ただプリントするだけでは
いかにももったいない。
ここはひとつ、なにか気のきいたキャッチコピーや、
デザイン的な一工夫を加えて元の写真を生かして引き立てたいところです。
うちのスタジオでも、この夏の間に「脱・凡写」を掲げて
挑戦的なデザインフォトを新メニューに加える準備を進めています。
そこで、カッコよく見える配色には、ある種のパターンがあるという事を
ネタバラシしてみようと思います。
例えば、明るい無彩色系の色の背景と、灰色の文字という組み合わせは、
上品なイメージがそれだけで、出来あがります。
そして、パステルカラー同士を使った組み合わせは、
なんとなく流行を行ってるって感じになります。
また、オレンジ系と白を組み合わせると、ファッション的なイメージが
自然と出来あがってしまうと言った心理的な法則があります。
そう、デザインなんて、所詮、記憶との比較。
連想させて結びつかせてカッコいいと思わせるのが、
手っ取り早くてパクリにも近い姑息なテクニックです。
でも、これが悪いとかではなく、ちゃんと心理をつかんでいる
と言う意味では、本物のプロの仕事であると言えます。
配色は自由が基本です。
でも、文字を読ませたいという気持ちがはたらきすぎると、
つい目立たせたいあまりに補色を使用したり、コントラストを付け過ぎたりと
まるで八百屋スーパーや激安ショップのチラシみたいにお下劣な印象を
与えてしまうことにもなりかねません。
これも記憶との比較によってひんの無さを連想してしまうという
悲しい人間の習性なんでしょうね。
そして目の錯覚により、お互いの色が汚く濁ってしまう。
このような補色同士が隣り合わせるアクの強い配色を使う時には
その色同士をセパレートさせるためるに、白をはさみます。
こうする事によって、違和感なくナチュラルに仕上がる訳です。
このテクニックにより背景色が何であろうと、写真画像を白で囲ってやれば
自然にどんな場所に置いても馴染むようになります。
いわゆる、「白フチ」ってやつです。
スナップ写真では最近あまり見なくなったけど・・・
また、黒とか青といった寒色系とか、オレンジや黄色系の暖色系の
どちらかにイメージを統一させることも重要です。
たとえば、寒色系でも青と黒では、寒い、冷たいといったイメージに
なってしまいますが、黒ではなく、白と青を組み合わせると、
透明感が出て海をイメージさせ、爽快感が出てきます。
最期に、配色を簡単に上手く見せる方法は、
色相を統一して、つまり、写真のイメージと同系色の濃い色を使い、
タイトル等を配置していく・・・
外側に薄い色、内側に同系色の濃い色を使用する事でセンス良く
まとまりが出てくるってことです。
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