82F 特集ルーム

「そもそも、色って何?」 先日、どうにも理解してもらえないお客さんがいまして・・・ 客:この縦位置の写真を正方形の額にきっちり入るようにプリントして欲しい。 私:トリミングすると、足元が切れてしまいますよ。 客:それでは困る。全身が入るようにカットしてくれ。 私:足まで入れると写真の横幅が足らないので、背景を書き足すのですか。 客:そんなことしなくてもいい。横に広くするだけで良い。 私:それではこの人が太くなってしまいますよ。 客:お前の言ってることはよくわからん。とにかくやっといてくれ。 私:・・・ 縦横の比率の違いがどうしてもわかってもらえませんでした。 デジタルカメラの普及と共に、これと似たようなことが、 色の世界でもよく見受けられるようになって来ました。 そこで、そもそも色って何なのかをおさらいしてみましょう。 デジセミNo.24の可視光(〜波長について〜)や No.33の「各光源の色温度」も参考になります。(HPに掲載) 色ってのは、「光の色」と「物の色」があります。 光の色、光源の色ですけど、これは照明器具やPCモニター、透過原稿等、 広い意味で光が透過して直接目に入ってくるものを指します。 パソコンのモニターを例にあげると、 目に色として感じる380〜780nm(ナノメートル)の電磁波が目に入ってきて 色として感じているのです。 光の色は380〜780nmから一部の波長をカットしたりして 色を付けています。短い波長を透過するものは青く見え、 長い波長を透過するものは、赤く見えます。 それに対して物の色は、 物体に光が当たって、素材や塗料により一部吸収されて反射してきた波長が 目の中に入ってきて色として感じます。 具体的には、そこらにある品物や物体、写真、印刷物などで、 光が当たらないと、何も見えない物を指します。 と言うことは、 物の色は、その物体に当たっている光の色によって見え方は違うんです。 赤い光を当てれば、物体の色は赤に偏り、青い色を当てれば青っぽく見える。 当然のようなことなのですが、わからずやも多い。 今までに何度も出てきた「色温度」と言うのがそれで、 色温度の低い電球や夕日の中では、赤っぽく見える。 逆に、晴天の日陰、つまり青空光の下で見ると青く見える。 演色性の低い蛍光灯下では、また違った意味で論外です。 これは極端な例ですが、このあたりのことを頭に置いた上で 色を評価すれば、誤解は少なくなると思います。 モニターとプリントの違い、もうわかりますよね。 この延長線上に比較があり、入射光・反射光、色の三原色・加色法・減色法、 色の三属性があり、これらの使用法として各種の効果や配色法があるんです。
                
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