88F 特集ルーム

「空中に漂う白い玉」 写真の中にぼーっとした白くて丸いものがいくつか写っていること、 経験ありませんか? 部屋の中での写真で、空中にいくつも白いものがぼーっと写っている、 夜のスナップ写真で、空に浮かぶ白くて丸いぼやーっとしたもの。 これらは心霊写真でも何でもありません。 ただのホコリなんです。 ではなぜ最近になってよく写るようになったのか。 これはカメラの小型化と、受光面の小型化に関係があるんです。 そしてレンズとストロボの距離こそ、この主たる原因なんです。 カメラの形状が小さくなると、レンズとストロボの距離が近くなって レンズのすぐそばでストロボが光ることになりますね。 そうすると、レンズのごく近くに浮いているホコリにストロボ光が当たり 距離が近いので、強力にストロボ光を反射します。 これがぼやけた白い玉の正体です。 レンズとストロボの距離が近くなるほど、レンズの近くのホコリに 光が当たってしまい、目に見えないほどの小さなホコリでも 大きく白い玉になって写るって事です。 当然、レンズのすく前なのでピントが合わずにぼけて写りますね。 そして、受光面(CCD等)の面積が小さくなるほど被写界深度が深くなり ピントの来ない場所でもボケ方が少なくなって、 カタチとして見えてくるのです。 では、このような白い玉を写さないようにするにはどうしたら良いか? 残念ですが、カメラのデザインや個性の問題なので、 ストロボを使う限りはなんとも防ぎようがありません。 ストロボを使わないのがいちばんですが、ホコリっぽい場所を避けて 出来るだけ望遠にして写すと薄くなる傾向があります。 これからカメラを買う場合は、出にくい機種を選びましょう。 ○レンズとストロボができるだけ離れているデザインを選びましょう。       (ストロボ光がレンズの間際でホコリ反射しなくなる) ○受光面のサイズの大きいものを選びましょう。       (被写界深度が浅くなってぼけて見えなくなる) ○レンズの明るいものを選びましょう。(被写界深度が浅くなる) カメラの小型化の代償として、意外な部分で不具合が出てくるものですね。 多分メーカーさんも、このデジセミを見ていることでしょうから、 ストロボの位置も性能のひとつとして、デザインしてちょうだいませませ!
                
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