89F 知恵と知識の間
「デジタルカメラを使いこなそう! Part69」
「実践!撮影前のチェック」 〜失敗しないための確認事項〜
「JPEG撮影の設定項目」
今度はJPEGの撮影となります。
JPEG撮影はの設定項目が数多く、
撮影時にシビアな設定が出来るのなら、その後の流れが良くなります。
広く使われている画像形式の「JPEGファイル」として記録されるので
データのとり回しにも優れ、生産性も向上します。
また、ビュアーソフトも数多くありますので、用途に応じた使いやすさの
ビュアーを自由にセレクトできることも利点ですね。
まず忘れてはいけないのが「記録画質」を「RAW」以外にすること。
JPEGはカメラ本体で現像処理をしてから保存するものなので、
「画質」と「サイズ」と「ホワイトバランス」と「現像パラメータ」を
決めてから撮影を行ないます。
「画質」
これはJPEGファイルの圧縮の程度を決める項目です。
当然のことながら、高圧縮をするとファイルサイズは小さくなって
撮影できる枚数は増えるのですが、圧縮のひずみが多くなり
画質は悪くなります。
高画質(=低圧縮)にすると、撮影枚数は少なくなりますが
圧縮ひずみの少ないきれいな輪郭の画像になります。
撮影枚数を稼ぎたいとき以外は、通常「高画質」にしておきましょう。
「サイズ」
画像の大きさです。
単位は縦横のピクセル数か、全体の画素数で表しますので、
画像の寸法と密度によって決める項目です。
プリント目的でL判にプリントする場合は、2M(200万画素)が目安で
画素数で指定する場合は、おおよそ1600×1200ピクセルぐらいが適当です。
これ以下にすると、徐々に画質が低下していきますが、
これ以上大きくても画質は良くならず、悪いことだらけで、
メディアの容量を圧迫して、処理速度も遅くなります。
A4サイズ全面にプリントしたい時は、600万画素は欲しいですところです。
「ホワイトバランス」
フィルムでは、デーライトとタングステンの2タイプのフィルムを選び、
そこからの調整はフィルターを使っていましたが、
デジタルカメラでは、光源の色の白の基準を決めることが出来ます。
ポジを使っていた方はすぐに理解できると思いますが、
ネガフィルムばかり使っていた方にとっては厄介な項目です。
今まで写真屋さんやラボが補正してくれていた色を
自分で調整しなければいけないのですから。
一般的な傾向として、画面内が白から黒までのごちゃごちゃしたスナップでは
オートが有効に働きますが、きれいに背景処理されたポートレートや
偏った色の多い商品撮影では、オートはあてにならなくなってきます。
「現像パラメータ」
現像処理をするときの設定値をあらかじめ決める部分です。
色空間、つまりsRGBなのか、AdobeRGBなのか設定できます。
sRGBでは、光の硬さや明暗比に対して「コントラスト」を設定できます。
他にも被写体に応じて「シャープネス」「色の濃さ」「色合い」を設定します。
あとはRAW撮影と同じように、忘れがちなのが「ISO感度」の設定です。
デジタルカメラでは、感度が自由に変えられるため、
慣れないうちはセットし忘れることがあります。
撮影前には、必ず感度の設定ボタンを押して、確認しましょう。
そして、ワンショットか連写かを確認して、
AFモードやエリアも確認します。
最期に、測光モードを確認して、シャッター速度と絞りをセットします。
ついでにオートの場合は露出補正が戻っているか確認しましょう。
JPEG撮影では、撮影と同時にカメラ本体で現像処理をしてからメディアに
保存しているので、ポジフィルムの種類を選ぶように撮影時に設定をして
そのイメージをそのまま画像として使うことが出来るのです。

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