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「EOS5D使用レポート」 キヤノンからフルサイズのデジタルカメラEOS5Dが出ていますが、 はたしてどんな具合なのか、実際に業務として使っていて思ったことを 書いていきます。 まずは、買ってよかったかどうか。 これは、値段なりの価値があるかどうかなのですが、 ぼくのような用途なら価値ありです。 ちょうどぴったりな感じですね。 受光面の小さいものは、どうしても被写界深度が深くなり、 感覚的にセットした絞り値と仕上がりのくい違いがありました。 しかも、輪郭をきれいに出そうと思うと、かなり絞りを開けないと 切り取ったような嫌な輪郭になってしまいます。 10Dで撮ってたときは、どうしても肩のラインを少しぼかしたくて スタジオでもF2.8〜F4にしてましたから。 このあたりのことで言えば、「35mmの感覚が戻った」という感動です。 そして何よりも良いところは、ファインダーが広いこと。 これも35mmの感覚が戻ったような感動と、 「撮ることが気持ち良い」といういちばんの長所かもしれません。 とにかく視界が気持ち良い。 全身のモデルの表情まで無理なくとらえることが出来る。 これだけでも十分に価値はありますね。 道具なんですから。 他には、広角レンズがちゃんと広角レンズとして使えるので、 建築カタログや旅館、店等の室内紹介の撮影にも力を発揮しています。 あと、ピクチャースタイルのおかげかもしれませんが、 色調補正も大幅に行なう必要が無くなり、楽になりました。 いいのか悪いのか、画素数も上がっていました。 おかげで1GBのCFカードがすぐにいっぱい。 PCのHDDも予想をはるかに超える勢いで食いつぶしています。 いちばん最小にしても400万画素オーバー。 スナップには使えないカメラです。 質感が出るのはこの画素数のおかげかもしれませんが。 悪い点も言いましょう。 まず、モニターが暗い。 大きいのはいいのだけど、感覚がおかしくなるくらいに暗い。 テスト撮影のとき、ヒストグラムを疑って反射的に感度を上げたら みんな露出オーバーになったなんてお粗末な事もありました。 外では使い物にならないほどです。 あと、シャッターのショックも大きいような気が・・・ フルサイズだからミラーの大きさのことを考えたら仕方ないと思うけど、 なんだか同じ大きいミラーが入っている銀塩のそれよりも ショックは大きいと感じたのはぼくだけなのかな。 反応もなんとなく遅いような気もします。 ボタンの感覚がふにゃっとした昔のカメラみたいになってるし。 これは好き嫌いの問題ですね。 ピクチャースタイルの常時表示も欲しいところ。 モードダイヤルにして入れちゃえばよかったのに。 AFの位置も寄りすぎてていまいち良くない。十字に並べてほしいなぁ。 まぁ、どうせ中央しか使わないからいいか。 他のポイントは大きさを測る基準にしか使わないから、 方眼のスクリーンに交換することにしましょう。 結局、モニターの暗さは気になるものの、 とっても気持ちの良いカメラには間違いありません。
                
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